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雨と路上

東口  ひどいどしゃ降りの中 
 一人の路上アーティストが歌う

 

人の群れ  何列にもなった傘達が 
 歌声の脇を通り過ぎる

この雨が止んだら いいことがあるなんて安い歌 
伝えている

誰も足を止めようとはしない 
きっとそれは理想論だと

夜の閉まったデパートの下 
雨宿りしながら叫んでる路上アーティスト



力もない 手持ちの金もなければ

 世界を生きる要領のよさもない


拍手もない どちらかと言えば負け組み 
物好きに見てる僕もきっと同じ

相変わらずやまない
 力を入れ歯を食いしばれと 
歌っている

誰もそいつの声を聞こうとはしない  
きっとそれはウソなんだと

夜の閉まったデパートの下  
自分自身の明日が晴れない路上アーティスト



時間が経っても反応もなく拍手も起こらないその状況に

僕は何をすることもなく 鼻で笑って腕を組んで

力もない 金もない 現実は変わることはないけど

バチャバチャうるさい雨のリズムがそいつのリズムと重なって

僕は感動していた 
もしかしたら今すぐ 
 空は晴れると思った 
何か変わるかもと思った

現実問題 止まない雨はあって 
 無慈悲に僕らの首を絞める

だけど願うことで 叫ぶことで 
 何か今に意味を見出せたら

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