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HOUSE
夏の終わりのにおいの
空の下いつも思い出す
まだ小さな頃を
空の下いつも思い出す
年の離れた
兄ちゃんと喧嘩するたび
泣かされ 二段ベットの下で
大声で泣いてたHOUSE
少し破いた障子を
開けて出た広い庭の中
同い年の犬が
大人しく人を待っていた
人を噛まずに
好き嫌いもしない ないから
「おりこうだね」
「おりこうさんだね」って
みんなで笑ってたHOUSE
二階の奥の部屋から
出してきた大きなクリスマスツリー
ロウで出来たサンタクロース
テーブルの隅で火をつけ
曲が流れた
ジングルベルが流れた
闇の中 火を消した
目がしみていたかったっけ
モヤのようで
ホコリくさい記憶は
消えない 消えはしない
残った蛍火
もうない
アスファルトの下で
オヤスミ大きなHOUSE
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